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2006年05月13日

藤田嗣治展 −パリを魅了した異邦人−

先日行ったブリジストン美術館に藤田嗣治の絵が一枚あったのですが、そこに描かれた猫があまりにも印象的だったので、今開催中の個展も観てみたいと思い足を運びました。平日の昼間にも関わらず凄い人出でしたが、大変見応えのある展覧会であり、行った甲斐がありました!

フジタといえば、「すばらしき乳白色」の女性や、すました表情の子供の絵が真っ先に思い浮かびますが、戦争画や聖書の一場面を描いた大作も実に見事でした。また、トレードマークの猫をはじめとする動物の絵もやはり魅力的であり、繊細なタッチによるユーモラスな表情の描き方が独特でした。

私はいつも美術展に行くと、画家がその作品を何歳の時に描いたかということに興味を持って観ているのですが、今回もフジタの20代〜70代の作品を順に観ながら、彼の人生の時々の心情と、作風の関わりを想像しながら楽しみました。

その中で、5度の結婚など自由奔放で波乱に満ちた人生の陰で、彼はただひたすら絵と自分自身に向き合い続けていたことを感じ、その真摯な生き様に打たれました。晩年の磨きぬかれた技と美しさ、そして、絵を描くことの喜びに満ちた絵が、そのことを証明しているように思えたのでした。
posted by MIHO at 11:37 | 美術館